再生不良性貧血 ミシガン州のチャーリーちゃん


---------------------------------------------------------------------------------------------
「赤芽球癆(せきがきゅうろう)」 という再生不良貧血で苦しんでいる
チャーリーちゃんからの相談が寄せられたのは、まだ私が入院中の4月でした。
2015年1月に発症し、輸血しても2〜3週間でHCT(血液中に占める血球の体積の割合を
示す数値)が15%以下になってしまうので、それまで5回も輸血していたそうです。

猫ちゃんの白血病からの再生不良性貧血はとても多いのですが、
アメリカでの獣医さんの対応も参考になりますので、ご紹介致します。
---------------------------------------------------------------------------------------------

チャーリーのこと、ブログに載せてくださるというお話、ありがとうございます。
日本ではなかなか供血猫ちゃんが見つからなくて輸血が難しいというお話もうかがいます。
輸血して時間を稼いで、漢方薬でゆっくりしっかり治していけるチャーリーと私は幸せです。
白血病からの貧血で苦しんでいる猫さんと飼い主さんに、あきらめないで一緒に頑張りましょうという
メッセージになればと思います。


【2015年4月8日】



はじめまして。
新規相談を中止されているのは承知しておりますが、
どうか力をお貸しいただきたく、相談させてください。

今年の1月下旬に私の猫(4歳10か月、猫白血病ウイルスキャリア)が重度の貧血を起こし、
(PCV6.5)骨髄検査により、赤血球を作れなくなる「赤芽球癆」と診断されました。

ステロイドと免疫抑制剤で免疫異常をなくす治療をしていますが、一向に薬に反応せず、
薬に反応しないということは、Felvを発症したということだから、治療法はありません、と言われてしまいました。
1月下旬から今までに輸血を5回して、命をつないでいます。
私は2013年からアメリカに住んでおり、猫も日本から一緒に来ました。
アメリカでは安楽死という考えが一般的で、何度もすすめられ、何度も断っています。
絶対に治したいのです。
そして一緒に日本に帰ります。

横浜市内に住んでいる友人に先生のことろに取りに行ってもらうので、お薬をいただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。



漢方生活が始まりました。
チャーリー君、毎日ササスペはしっかり飲めているそうです。 (misako)

【2015年6月11日】


こんにちは。
昨夜夫が漢方薬と酸素濃縮器を日本から持って帰ってきました。
こちらでは酸素室のレンタルはないので、自作することにしたのです。
数時間おとなしく入っていたので、よかったです。

肝心のササスペシャルの方は
少しずつごはんに混ぜて、という方法で大丈夫でした。
何とか一日10MLクリアできそうなので、少しずつ増やせるようにしていきたいです。

10日前に輸血をしたのですが、もう貧血がすごく進んでしまって
今週中か来週明けすぐにまた輸血をしなければいけないようです。

漢方の力を借りて、チャーリーの自己治癒力を信じ、順に輸血回数が少なくなり、
再生不良貧血が治る!
白血病ウイルスに勝つ!と強く思っています。
これからもよろしくお願いいたします。



窓の外にリス君が来ていますね。(misako)

【2015年7月23日】


みさこ先生
お世話になります。
チャーリーはしっかり漢方薬を飲めていて、体調も良いです。

でも造血はやっぱりできていなくて、6月25日と7月9日に輸血をしなくてはなりませんでした。
6月25日は Ht9まで下がってしまっていて、2ユニット輸血したにもかかわらず Ht15までしか上がらず、
またまた大ショックでしたが、7月9日の輸血では Ht10だったのが、24まで大幅アップでホッとしました。
でもやっぱり2週間で歯茎は真っ白になり、今週末か来週すぐにまた輸血をするアポを取りました。
造血以外に対しては、漢方薬はよく効いていて、Ht10くらいになってしまっても、
本当に元気で毛づやもいいので、毎回もう治ったのでは??とヌカ喜びしてしまうほどです。
逆にHtが下がっていることに気づかず注意しなくてはならないほどです。

チャーリーの写真見てやってください。
こちらの大学病院の先生が理解があり、病院処方の薬、ステロイド、免疫抑制剤を一切やめても、
輸血は快く引き受けてくださり、チャーリーにマッチする血が病院にない時も色々なところから
探して下さるので本当に助かっています。
チャーリーのかかっている小動物の学部にはまだないのですが、
大きい動物の学部には代替医療の専門学科もあり、漢方や鍼の研究も進んでいます。



【2015年7月25日 こんにちは、佐野です】


こんにちは。佐野です。 チャーリー君、毎日ササスペはしっかり飲めているのですね。
良かったです。

赤芽球癆の貧血はすぐにHtが下がってしまい手強いですね。
でもこの貧血は、骨髄で赤血球だけが造れない。
骨髄で血小板や白血球は造れるので、まだ良かったと思います。

ところで、漢方で増血に効果的な「参茸補血丸」という処方が
あるので、今回一緒にお送りしました。

丸剤なので飲めるか心配で、チャーリー君にはこれ迄おすすめしていませんでした。
でも、飲めればきっと効く筈です。
1日5粒工夫して飲ませてみて下さい。

こちらは猛暑で、横浜でも30度以上になるのが普通です。
湿気もあるので、外に出るとクラクラします。

そちらも厳しい暑さなのでしょうね。
チャーリー君共々体調に気をつけてお過ごしくださいね。



【2015年7月27日】


お世話になります。
「参茸補血丸」どうもありがとうございます。
8月初めに手元に届きそうなので、楽しみです。

チャーリーは錠剤、丸剤を飲むのは得意です。
ササスペシャルやレバコールも味は嫌いではないようですが、
液体を無理やり口に入れられるのが苦痛で、いつも逃げ回っています。
私は1mlのシリンジを10本、午前と午後に分けてあげています。
口に入った後はちゃんと飲み込むし、吐いたことも一度もないので
ほめちぎってますが、今度は丸剤と聞いて安心です。

私の住んでいるミシガン州は夏は快適です。
湿度も低く、30度以上になる日はほとんどありません。
特にウチは田舎で森の中にあるのでエアコンはいらないほどです。

そのかわり冬はとても厳しく、今年一番寒い日はマイナス27度でした。
チャーリーが発症した時もそんな寒いころで、月2回の輸血も吹雪の中
60キロ先の病院まで出かけなければなりませんでした。
NHKニュースは毎日観ているので、日本の猛暑ぶりはよく伝わっています。
みさこ先生もどうぞお元気に過ごされますよう。

【2015年9月18日】


お世話になっております。
大変急な発注で、申し訳ないのですが
日本から出張でこちらに来る方が見つかり、間に合えば持ってきてもらいたいと思い お願いできないかとメールしました。
その方は水曜日に日本を発つので、火曜日までに到着していてほしいのです。

チャーリーの造血機能はまだ回復してきません。
7月27日と8月19日と9月9日に輸血をしました。

でも参茸補血丸を始めてから輸血の間隔がほんの少しですが
長くなりました。(2週間だったのが3週間持つようになりました)

このまま少しずつでも回復してくれるのを長い目であせらず期待しています。
ササスペシャルの中身は前回早めに頂いたので
今度夫が日本に出張するまであると思うのですが
補血丸が最後の70個になってしまったので
できたら420丸入を一瓶送っていただけないかと思います。



お庭のハナミズキがきれいに紅葉していますね。(misako)

【2015年10月20日】


こちらは急に寒くなってついに先週末は明け方氷点下3度まで下がって
すぐ冬になってしまいそうです。

チャーリーはその後9月29日に15回目の輸血をしました。
その時は14回目の輸血から3週間経っていたのに
Htはマイナス5だけで、輸血直前に15ありました。
輸血しても17にしかならず少し心配していましたが、
同じようなことは今までにも3回ほどあったし、元気に過ごしています。
明日でちょうど前回の輸血からまた3週間ですが、調子よくしているので、
次の輸血の予約はしていません。
まだ一度もプラスになったことはないのですが、
8月下旬頃から地面を舐めなくなりました。
(貧血の犬猫はコンクリートを舐めるのだそうです)



チャーリー君、この調子で漢方をがんばって、これからの厳しい
冬の病院通いがいくらかでも少なくなることを願っています。(misako)

【2015年12月28日】


心配だったチャーリーちゃんのつらい訃報が届きました。





みさこ先生

連絡が遅くなったこと、どうかお許しください。
毎日メールしようと試みましたが、書き始めると涙が止まらず冷静に振り返ることができませんでした。

みさこ先生には黙っていてもわかってしまうんですね。
チャーリーはこちらの水曜日の午後に旅立ってしまいました。

前回もみさこ先生が心配してご連絡下さり、その時は狂犬病ワクチンの影響もなく…
と書きましたが、それから1週間後ERに駆け込みました。

Hctは今まで最低の6でした。それでも輸血で22まで回復しました。

一時は輸血の間隔が4週間だったのが、ワクチン接種後は、2週間に逆戻りしてしまい、
12月2日に18回目の輸血をしたのに、次はほんの1週間でHct 7まで下がってしまい、
10日にまた輸血をしました。

その時にHct だけでなく、他の検査もしたところ、白血球と血小板も減少しており、
赤芽球癆から移行したのか、新たに再生不良性貧血が発生したのかはわからないけれども、
そういう状態だということでした。
漢方薬はしっかり飲めていましたが、私も必死なのでなるべくたくさん飲ませたいと焦っていました。

18回目の輸血から1週間後、初めてササスペシャルを全部吐いてしまい、またERに駆け込むと、
たった1週間で Hct 7 まで下がってしまっていました。
輸血しましたが、家に帰っても自分で立つこともできず、おトイレにも行けなくなりました。

さすがに覚悟しましたが、輸血から2日後に少し起き上がれるようになり、
今週の月火にはごはんも普通に食べられる、おトイレも自分で行けるようになり、驚異の回復でした。

でも19回目の輸血からちょうど1週間の水曜日、前日までジャンプしてテーブルに乗って
私を喜ばせてくれたのに、朝私のベッドから転げ落ちて動けなくなりました。

もう、病院に駆け込むのはやめました。行っても言われることはわかっていたし、
遠くまで車に乗せて辛い思いをさせたくないと思いました。
それで酸素を吸わせて静かにチャーリーと2人で過ごしました。

午後に口呼吸するようになり、苦しそうにしていました。最期は私の腕の中で息を引き取りました。
狂犬病ワクチン接種の前と後ではぜんぜん状況が変わってしまいました。

白血球ウィルスを持ってるチャーリーは免疫系が弱いので、
ワクチン接種はリスクがあることはわかっていましたが、しないと日本に帰れないので仕方ありません。

私の勉強不足で、もっと何か手があったのではないかと残念でなりません。
ただ、漢方薬のおかげでここまでこれたことは間違いないと思っています。

19回も輸血に耐えられたなんて、発症してから1年近くも一緒にいられたのも、
全部漢方のおかげだと思います。

最後までごはんを食べられて、ガリガリにならなかったことも。
そして、みさこ先生は、ご入院中なのに処方を考えてくださり、
いつも気にかけて下さり、本当にお世話になりました。
チャーリーを連れて帰れなかったことは残念ですが、帰国したらご挨拶にうかがいたいと思っています。
そして、自分自身も体調に不安がある時はみさこ先生に相談させて頂きたいと思います。

チャーリーは今日灰になって私のところに帰ってきました。

外は昨日まで緑の芝でしたが今日は雪が積もって真っ白です。

チャーリーの写真、見てやってください。最期苦しそうでしたが、安らかな顔になりました。

最後になりましたが、みさこ先生、ご家族と共によいお年をお迎えください。




お花に囲まれたチャーリーちゃん、今にもお目目をさまして起き上がってきそうですね。
写真ですが、思わずなでてしまいましたよ。

怖れていた時が来てしまいました。
でも、なんと言っても、お二人とも本当によく頑張りました。
お疲れ様でした。

これまで懸命にやってきたことが、これからは良い思い出として大きな財産になると思います。
めぐみさん、たくさん泣いたら、一日もはやく明るい笑顔を
チャーリーちゃんに見せてあげて下さい。
チャーリーちゃんきっと安心しますよ。
チャーリーちゃん、ママをずっと見守っていて下さいね。

私も「赤芽球癆」という貧血の厳しさを勉強させて頂きました。
有難うございました。

チャーリーちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。


                           佐野未左子
【2016年1月】

みさこ先生

こんにちは。

こちらも今年は暖冬です。と言っても最高気温が1℃とか、そんなんですけれど(^_^;)

いつも温かいお言葉ありがとうございます。

後悔や自責の念が全くないってことはないのですが、何よりチャーリーが、発症してから

1年近くも頑張って一緒にいてくれたことに感謝しています。

お世話になっていた大学病院からもカードが届き、担当医だけでなく、研修医、学生さん、

受付の方々まで言葉を書いて下さって、チャーリーは皆に愛されてたのだなと思いました。

愛用者のページ掲載のお話もありがとうございます。

発症してからも元気に過ごせたこと、闘病中の猫さんと飼い主さんたちに伝わるといいです。

皆様に素敵な春が来ますように。

またお便りいたします。