猫エイズ 吉田アネちゃんのケース

うちのエイズ猫

 

うちには猫エイズの猫がいます。名前はアネ。人間のエイズと同じく免疫不全の病気で、色々な感染に弱く、大抵は衰弱して死んでいってしまう病気です。今年の2月にエイズ宣告を受けました。その時の気分はもう思い出したくもありません。「この猫は明日死んじゃうかもしれないんだ・・」という悲しみ。夫も深刻な顔で、家の中はくらーくなっていました。(本人(アネ)だけはけろっとしてましたが。)当時の体重は2.8kg。腰骨や背骨がごつごつと手に当たるのも痛々しく、苦しそうにくしゃみや咳を繰り返していました。エサもほとんど食べません。毛もぺったりしている状態でした。そして今は11月。くしゃみや咳はまだ残っているものの、当時に比べればぐんと少なく、体重は3.8kg。ひもを追いかけて走り回り、玄関を開けるとたたたたたたたたと走って来るこのふわふわの物体は?猫エイズにつきものの口内炎、下痢は?

2月にとにかくこの猫を何とかしてやりたいと思い、インターネットで検索した結果、行き当たったのが佐野薬局のHPでした。ここは人間相手の漢方薬局なのですが、その常連であるErieさんという方が「猫エイズに漢方がきく!」ということをお宅の猫たちで実証していたのです。もちろん、はじめっから全面的に信じたわけではありません。猫エイズに関するどのページをみても「猫エイズに有効な治療法はない」「死に至る」とはっきり書いてあるわけですから。ただ、アネのために何かをしてやりたかったのです。いや、それよりも自分が「やるだけのことはやった」と思って看取ってやりたかったのです。アネが死んだ後自分が後悔したくなかったのです。朝晩の漢方+卵やミルクを混ぜた栄養食を注射器でやる毎日が続きました。しかし、みるみるうちに・・・というようなことは起こりませんでした。ただゆっくりじんわりとアネのくしゃみの回数が減ったり、体重が増えていったりしたのです。6月になりましたがまだ元気というわけではなく、自分ではエサを食べない状態。体重は3.4kg。夫は「オレのいない間に死んじゃうかもなぁ」と言い残して3ヶ月の出張へ旅立ちました。

その頃から少しずつ具合がよくなっていったようです。そして知り合ったペットシッターの方に紹介してもらった高カロリー栄養食を与えるようになってから体重が一気に増えました。毛並みもふかふかしてき、少しずつ走るようにもなりました。が、微熱がでたり、肉球が腫れたり、はまだ続いていました。そして今は11月。まだ鼻水を垂らしますし、咳も少しでます。でも当時に比べたら大したことない!と言い切れるくらい。(鼻水で汚れまくっていたうちの中のガラスがほとんど汚れていない。)繰り返していた微熱も今はほとんど出ません。肉球も薄いピンク色。何よりも最近はエサを自分で食べるようになったことが大きな進歩です。まだ「健康な猫」とはいえませんが、「明日死ぬかも・・・」なんてことはカケラも考えなくなりました。佐野薬局に出会ったことも、ペットシッターの近藤さんに出会ったことも本当に運が良かったと思います。あとアネに出会ったことも。

この猫は捨て猫を拾ってワクチンや去勢・避妊手術をした後里子に出しているボランティアの方からもらったのです。もらう前にエイズ検査をしましょうか、と言ってくださったのですが、こちらから断ってしまいました。今思えばあの時検査していたらアネはうちの猫じゃなかったのかも・・・。こうしてみると縁というのはすごいなぁ、と思います。

写真右が6月ごろのアネ。毛がちょっと濡れたように固まっています。左が最近のもの。おなかぽっこり。ちょっとわかりにくいかな。