小夏ちゃんの漢方生活

 

*小夏の漢方生活 *

〜出会い〜

小夏が乳腺腫瘍と診断されたのは、2005年6月22日のことです。
目の前が真っ暗になり、血の気が引いていくのがわかりました。

実は、この2年前、小夏と同時に同じ母親から生まれた姉妹の華が乳腺腫瘍になり、2度の摘出手術後、爆発的に転移し、肺に転移して乳腺腫瘍の診断を受けた半年後に亡くなったからです。

やっと華を亡くした痛みを浄化できるようになったところでした。

 

獣医師と十分に相談した結果、乳腺腫瘍という病気は、個体差が激しく、治療方法も、正直なところ、これが絶対という方法はなく、実際、術後の経過も切ってみなければわからないという一か八かの賭けみたいなものだということでした。小夏の場合、体質遺伝も考慮すると、手術をしても華と同じ経過を辿る可能性が高く、手術はしないことにしました。華の死を無駄にはできません。

パソコンに釘付けで検索を繰り返しているうちに、乳腺腫瘍と戦うにゃんこの情報交換の掲示板で、ある方が愛猫に服用させているものに『ルミンA』というものがあり、興味を持ちました。  
『たすけあいひろば』

さらに検索を続けたところ、『ササスペ』という文字を見るようになり、ササスペって何?と思っているうちに佐野薬局さんの『猫のぺ〜じ』にたどり着きました。そこでは、漢方薬で深刻な病気と戦うにゃんこと飼い主さんの姿が綴られていました。

漢方薬にも興味があり、ルミンAを試すのなら、信頼できるところできちんとお願いしようと思っていたので、ここだ!と思いました。

佐野さんは、お忙しい中、とても親切に対応してくださって、猫好きということもすごく伝わる温かいお人柄にも安心して、漢方薬を始める決心をしました。

 

 これが私と小夏の佐野薬局さんとの出会いです。



*小夏の漢方生活 *

〜経過〜

   

 

10月8日
いよいよ漢方生活の始まりです。

『たすけあいひろば』でも熊笹エキスについて興味深い情報があり、ルミン同様、試してみたいものの1つでした。小夏は、嫌なものは蟹のようにブクブクと泡を噴いて飲んでくれないので、液体の漢方を飲んでくれるかな?と不安でしたが、猫は具合が悪いときも草を食べるようなので、ベースが熊笹エキスならもしかしてと、飲んでくれることを期待しつつも死闘を覚悟で(笑)手には料理用のミトンをつけ、完全防備で挑んだところ、拍子抜けするほど大人しく飲んでくれました。

漢方薬は、猫用の粉ミルクを漢方薬の半分量のお湯で溶いたものと蜂蜜少量を混ぜて注射器の針のないもので飲ませると、「変な味?」という感じで固まって遠い目をしつつ、時々口の端からダラ?と垂らしながらも飲んでくれています。(たまに平たくなってこっそり逃げますがノ(^^;)

11月に膀胱炎を患い、エコー検査の結果、尿酸結晶と腎臓の腫れも見られ、佐野薬局さんに膀胱炎と腎臓機能強化にも対応し、腫瘍対策も最強バージョンにしていただきました。

これを機会に、本格的に漢方薬一本で頑張ることに決めました。

腫瘍は、残念ながら徐々に大きくなり、数も増えてきました。

12月、そろそろまた病院で診ていただこうと連れて行きました。潜血もなく結晶も見られませんでした。エコーで見ると膀胱もキレイになっていました。

しかし、獣医師の話では、今後、病院でできることは、自壊後、傷の痛々しさと膿の臭いにメ飼い主がモ耐えられなくなったら、その部分だけを取り除くことだということでした。

そのことを聞き、病院へ行くストレスも考え合わせ、病院へ行くことを止めました。

年が明け、1月中ごろ、小夏が腫瘍を舐めてしまい、血が滲んできました。自壊の始まりです。

傷の保護のためにあの手この手。傷は、ルミンAを精製水で溶かしたもので傷口を洗いました。

その後、腫瘍は数も増え、つながり大きくなってきています。Sサイズの卵弱の大きさになった腫瘍は、ぽっかり穴が開き、そこに膿が溜まるようになりました。

腫瘍の保護のために『たすけあい広場』で教えてもらったネットショップでオーダーした介護服を着せています。ちなみに、現在、こちらのネットショップの術後の介護服の着用例で小夏さんはモデルデビューしています。

CareTrunkさんでオーダーした介護服

CareTrunk http://homepage3.nifty.com/tissue/careindex.html



*小夏の漢方生活 *

〜現在〜

4月に入り、自壊部分の炎症のためか、ガーゼ交換の際に激しく痛がるようになり、食欲も極端に落ちて、寝てばかりになってきました。このままではいけないと佐野薬局さんに相談して、漢方薬のさらなる強化をお願いしました。

漢方薬を強化していただいてから、すぐに小夏の食欲が戻ってきました。そして、腫瘍の1つの肉腫状になっていたもののほんの一部ですが、かさぶたになっていて、それを服が脱げたときに小夏が舐めて取ってしまいましたが、見ると、その部分が少し欠損したようになっていました。

何となく良い兆候ではないかと希望を持ちました。体重は600グラムほど減ってしまいましたが、食欲も出ています。

現在、腫瘍の肉腫状になっている部分は、欠損してから厚さが減り、一番大きな腫瘍の真ん中の膿を取ったところは、クレーターのように大きくぽっかり穴が開いたようになっています。穴は日に日に広がっていますが、膿は少なくなってきています。しかし、残念ながら、腫瘍がある側の右前足脇部分にもゴツゴツと腫瘍ができてきているようです。

腫瘍は大きくなって、自壊もしていて、見た目は痛々しいけど、食欲もあり、時々、元気だったころの行動もほんの少しするようになってきて、その1つ1つが励みです。

けっして美味しくはない漢方薬も頑張って飲んで、痛いガーゼ交換も、「痛い!」と私の手を咬んでしまった後、「咬んでごめんね」と頭をすりつけてくる姿を見たら、1日でも長く一緒に過ごしたい、小夏の頑張りに応えたいと思います。腫瘍を切除し、つらい闘病生活は短い方がいいのかもしれません。手術を選んだら、術後の経過はよかったかもしれません。でも、自然に近い形で小夏の免疫力・治癒力の援護をし、のんびり楽しく穏やかに毎日をこの子と過ごすことが小夏と私にとって一番だと感じ、漢方生活を選んで良かったと思っています。

猫は私達の感情にも敏感です。病気と付き合うコツは普通に暮らすことだと思えるようになってきました。

小夏の闘病生活は、華が乳腺腫瘍と戦った日数を超えました。

もうすぐ、小夏が乳腺腫瘍と診断されてから1年が経ちます。

1日でも1秒でも長く楽しい時間を小夏と過ごせますように。

そして、病気で苦しんでいるにゃんこ達が救われ、明るく毎日が過ごせますように。

                      2006年 6月 小夏mama

  『小夏日和diary』 http://konatsubiyori.tea-nifty.com/

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